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JNRSメールニュース 第3号 (2015/10/01)

目次

(3−01)
アクチノイドセミナー2015、開催される
(3−02)
カールスルーエ 核図表(Karlsruhe Nuclide Chart)第9版発刊
(3−03)
科学技術・学術政策研究所からの「第10回科学技術予測調査」の公表
(3−04)
新刊紹介 「海底マンガン鉱床の地球科学」 臼井 朗, 高橋 嘉夫, 伊藤 孝, 丸山 明彦, 鈴木 勝彦、東京大学出版会,2015年2月28日
(3−05)
新刊紹介 「元素変換 現代版<錬金術>のフロンティア」吉田克己 著、協力/岩村康弘 出版社: KADOKAWA / 中経出版、 2014年10月10日
(3−06)
新刊紹介 「放射化学の事典」 日本放射化学会編、 朝倉書店、2015年09月28日
 
 

 

(3−01) アクチノイドセミナー2015、開催される     
2015年7月23日、東北大学多元物質科学研究所にてアクチノイドセミナー2015が開催された。本セミナーは、今回が6回目であり、東京工業大学原子炉工学研究所と共催で開催された。参加者は各大学より18名、研究機関より7名、企業その他より5名の合計31名であった。今回はセミナーの副題として「次世代への展開」 が掲げられた。特別講演では前京都大学原子炉実験所長の森山裕丈先生(京都大学名誉教授)より「アクチニド元素の性質と振る舞いについて」というタイトルで、これまで森山先生が取り組まれたアクチノイドの高温化学や水溶液化学の成果が紹介され、さらに本研究分野を維持するための施設確保についてのこれまでのご苦労と、今後の課題が示された。一般講演では東北大の秋山大輔氏より福島原発事故関連研究として燃料デブリ中のアクチノイドの挙動についての研究が紹介された。さらに大阪大学の大石佑治氏、九州大学の有馬立身氏からも原発事故により発生した炉心溶融物の物性把握を目指して展開中の研究が紹介された。いまだ未知の部分が多い燃料デブリに対して、大学のアクチノイド研究者としてどのようなアプローチが有効かについて議論がなされた。東京工業大学の塚原剛彦氏と日本原子力研究開発機構の原賀智子氏からは、それぞれマイクロ化学チップとキャピラリー電気泳動法を利用した新しいアクチノイドの迅速かつ簡便な分析方法の開発研究について紹介があった。両技術共に、福島第一原発の廃棄物等の分析への応用が期待され、活発な質疑応答がなされた。京都大学の小林大志氏からは、放射性廃棄物地層処分の安全評価の鍵となる4価アクチノイドの溶解度の熱力学評価研究について講演があり、九州大学の有馬立身氏からは地層処分の人工バリアであるベントナイト中のアクチノイドイオンの移行を分子動力学法によるシミュレーションで考察した結果について紹介があった。放射性廃棄物処分についても昨今、社会の関心が高まっており、処分システムを支える基盤研究の重要性にも注目が集まっている。(AK)


(3−2)カールスルーエ 核図表(Karlsruhe Nuclide Chart)第9版発刊

核図表は原子核をその構成要素の陽子と中性子を座標軸にして分類した表である。核化学だけに限らず多くの放射化学の専門分野で利用されているこの核図表は、日本原子力研究開発機構、理化学研究所を含むいろいろな機関がオンラインや冊子体として出版しているが、最も有名なものはカールスルーエ 核図表(Karlsruhe Nuclide Chart)ではなかろうか?壊変様式毎に色をつけて分類されたその図は、どこの原子核関係の研究機関、放射化学関係の大学の研究室にも必ず一枚は掲載されており、我々にとっては大変なじみ深いものであるが、その第9版が先月の8月7日に出版された。
従来カールスルーエ核図表は、カールスルーエ研究センター(Forschungszentrum Karlsruhe)→欧州委員会共同研究センター超ウラン元素研究所(EC Joint Research Centre(JRC) Institute for Transuranium Elements (ITU))が出版元であったが、2012年に出版された第8版以降JRCから分離した独立会社Nucleonica GmbHが販売を担っている。今回の第9版は第8版からさらに1644核種に対して新たな核データを取り込み、実験的に観測された実に総数3992核種が網羅されている。(ちなみに第8版の時は、第7版(2006年発刊)から737核種に対して新たな核データを取り込み、実験的に観測された実に総数3847核種が網羅されている。第7版の時は、第6版 (1998年発刊)から600核種に対して新たな核データを取り込み、実験的に観測された総数2962核種が網羅されている。)
核図表とともに提供される解説冊子は従来どおり英語、ドイツ語、フランス語スペイン語、中国語とロシア語(第8版から追加)で書かれている。(残念ながら日本語は含まれていない。)前回の第8版を購入した人はご存知とは思うが、カールスルーエ 核図表はこれまでの冊子体[41.3 Euro]での頒布および一枚紙のポスター版(95 cm x 139 cm)[33.5 Euro]での頒布だけではなく、新たにRoll map (170x120cm) [356 Euro]とAuditorium Chart(正真正銘の一枚連続ものの核図表, 43 cm x 316 cm)[99 Euro]、さらには100 cm x 650 cmのカーペットタイプ[要問合せ]の販売も行われている。詳しい情報については、下記のアドレスを参照されたい。
・The 9th edition of the Karlsruhe Nuclide Chart is out
https://ec.europa.eu/jrc/en/news/new-karlsruhe-nuclide-chart-published-9th-edition
・New 9th Edition (2015) of the Karlsruhe Nuclide Chart
http://www.nucleonica.com/blog/?p=4305
・Karlsruhe Nuclide Chart
http://www.nucleonica.com/wiki/index.php?title=Category:KNC
(KW)


(3−03) 科学技術・学術政策研究所からの「第10回科学技術予測調査」の公表

文部科学省直轄の国立試験研究機関である科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、行政ニーズに沿った意思決定過程への参画を含めた行政部局との連携、協力を行う組織である。NISTEPは2015年9月2日に「第10回科学技術予測調査」結果を公表した。
http://www.nistep.go.jp/archives/22697
これは今後30年程度の科学技術発展の方向性について、専門家が回答したアンケートの結果である。調査にはデルファイ法が用いられているが、当該専門家への数回のアンケート調査の分析により、その専門分野の未来の動向を予測する手法である。アンケートに回答した専門家は約4300人である。報告書は約850ページの大部である。
http://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/NISTEP-RM240-FullJ.pdf
科学技術は大きく次の8分野に類別されている、カッコ内はその分野で取り上げられたトピック数である。
1.ICT・アナリティクス分野 (114)、2. 健康・医療・生命科学分野 (171)、3. 農林水産・食品・バイオテクノロジー分野 (132)、4.宇宙・海洋・地球・科学基盤分野 (136)、5. 環境・資源・エネルギー分野 (93)、6.マテリアル・デバイス・プロセス分野 (92)、7. 社会基盤分野 (93)、8. サービス化社会分野 (101)、(トピック総数、932)
アンケートは、「重要度」、「不確実性」、「非連続性」など、多岐の視点からなされている。トピックの「重要度」とは「科学技術と社会の両面からみた総合的重要度」とのことである。

放射化学会の会員にとって興味がありそうなトピックを、いくつかピックアップしてみよう。
第4分野「宇宙・海洋・地球・科学基盤分野」に、“精密診断・高効率治療のための新規放射性薬品開発に必要な、中性子・イオンビームによる At211 などの放射性同位元素の大量かつ安定的な製造技術”というトピックがある。これの重要度のアンケート集計結果は、136トピック中で、上から11位である。ちなみに、136位すなわち最下位は、宇宙エレベータ開発である。
第5分野「環境・資源・エネルギー分野」には、“水・土壌からの放射性物質の確実な除染技術”、“低線量放射線リスクに関する合意形成手法の確立”の2トピックがあるが、93トピックの中で、それぞれ、上から4,5位の重要度というアンケート結果となっている。
第4分野の「非連続性の高いトピック」の6位に“放射性廃棄物中の長寿命核種135Cs を核変換技術によって無害化するために必要となるCs 同位体分離に向けた、高強度THz パルスを用いた量子制御技術に基づく新しい物質分離手法(同位体選択的加熱)”がランクされている。ここでのトップは、重要度は最下位とされた宇宙エレベータ開発である。「非連続性の高い」とは、報告書の説明によれば、「研究開発の成果が現在の延長ではなく、市場破壊的・革新的である」とある。平たく言えば、「できれば凄い! しかし、現在は連続的にゴールに繋がるような研究はない」となるのだろう。
ここでは、ランク(放射化学関連トピックに限定)のみを紹介したが、科学技術の30年の方向性について記述も多く、特に若い方には、有益な情報が詰まっている報告書であろう。 (YS)

 

(3−04) 新刊紹介 「海底マンガン鉱床の地球科学」 臼井 朗, 高橋 嘉夫, 伊藤 孝, 丸山 明彦, 鈴木 勝彦、東京大学出版会,ISBN978-4-13-062722-1, 発売日:2015年2月28日

広大な海の底は、砂の堆積物が単純に広がる海底砂漠のようなものと想像する人も多いのではないだろうか。ところが、実際には海山と呼ばれる山があり、その露岩はほぼ全て真っ黒に覆われている上に、平坦な海底砂漠にも真っ黒な玉石が川砂利のように敷き詰められているところもある。この、海底砂漠の景色を一変してしまうような、真っ黒い被覆物や黒い玉石が、「鉄・マンガンクラスト/団塊」と呼ばれる鉄やマンガンの酸化/水酸化物を主成分とする化学堆積物である。
鉄・マンガンクラスト/団塊は、コバルト、ニッケル、白金や希土類などのレアメタルを濃集しており、金属資源としての利用はもちろんのこと、古海洋の情報を保持する歴史書としても重要な役割を果たすことが期待されている。特に、数千万年前から海洋で生成し始めたクラスト/団塊は、現在も100万年に1 mm~1 cm程度の速度で成長しているため“生きた鉱床・歴史書”として注目されている。
本書は、1970年代の冒険的な探査航海の時代から、海底鉱物資源開発が忘れられた時期を経て、現在の新たな先端的研究の時代に渡り、鉄・マンガンクラスト/団塊研究に携わってきた5名の研究者らにより執筆されている。それぞれ、地質学、資源学、鉱物学、地球化学、微生物学などさまざまな視点から、鉄・マンガンクラスト/団塊を含む海底鉱床に関する課題への取り組みについて、基礎的な事から論文未発表の最先端の結果まで図表を交えながら分かり易くまとめられている。海底の黒いロマン(!?)に魅せられた研究者達が議論を重ね、約3年の歳月をかけ完成した本書は、地球科学分野の専門書としてのみならず、学生さんの教科書として、また一般の方の読み物としても興味深い。
主要目次
はしがき
第1章 海底鉱物資源としてのマンガン鉱床
第2章 海底マンガン鉱床の分布・性状
第3章 海底マンガン鉱床の生成環境
第4章 海洋の鉄・マンガン酸化物の地球化学
第5章 マンガン酸化物形成に関与する微生物活動
第6章 地球環境変遷史とマンガン鉱床の形成
補遺 酸化還元反応
あとがき/引用文献/索引
(AS)

 

(3−05) 新刊紹介 「元素変換 現代版<錬金術>のフロンティア」吉田克己 著、協力/岩村康弘 出版社: KADOKAWA / 中経出版 (2014/10/10)

錬金術は、金などの貴金属の他の物質からの合成を目的とした。元素の概念が確立する前で、失敗に終わる。元素、原子が正しく理解され、原子核融合、原子核反応を人工的に起こす巨大科学・技術が確立すると、人工的元素変換、すなわち原子核変換に対して、「現代の錬金術」の名前が与えられた。 
 本書で取り上げられる元素変換は、上述の原子核変換の範疇であるが、フロンティアとあるので、新しさがあるはずである。それは、オリジナルなナノ構造金属多層膜に重水素ガスを通過させるだけで、多層膜中の元素が他の元素に変化(元素変換)する、というものである。執筆協力者である岩村康弘氏は、本書の係る研究のトップランナーで、本書を科学技術進展ストリーと見れば主人公である。岩村氏自身は「新元素変換」と命名をしている[1]。
ナノ構造金属多層膜はパラジウムが主成分である。「パラジウム」、「重水素」、「新奇な原子核変換」といえば、1989年に登場したが後が続かなかったポンズ・フライシュマンの電気分解装置による重水素の核融合、常温核融合を思いだす。世界中の追試の大部分がポンズ・フライシュマンを支持せず、次第に忘れ去られたが、「現象としては正しい。実験条件の制御が難しい」、と研究を続けた科学者たちがいた。岩村氏もその一人である。岩村グループの研究の概要とその進展が、本書の骨格である。その研究は、「常温核融合」でエネルギーを得る、という点ではなく、元素変換に重点が置かれている。セシウムを含むパラジウム/酸化カルシウムのナノ多層膜に重水素を通過させると、セシウムがプラセオジウムに変換する。セシウムをバリウムとして同じ実験をすると、バリウムがサマリウムに変わる、133Cs →141Pr、138Ba→150Sm、137Ba→149Smが、再現性もよく確認されたという。原子番号と質量数の変化から、Csは4個分の重水素、Baは6個分の重水素を取り入れている(融合)している。 この「ナノ金属膜中原子核融合」が重水素の通過で、いとも簡単に起こってしまう。現象としては確かとしても、一体何が起こっているのか、大変興味が持たれるが原子核反応機構については、本書に記載はない。今後の課題なのであろう。
 岩村グループのこの「新元素変換」の研究が、東北大学電子光理学研究センターの共同研究部門で行われることになったことは、JNRSメールニュース1号(2015.5)で「(1-05)東北大学電子光理学研究センターが凝縮系核反応に関する共同研究部門を民間企業と設立」として配信した。また、まもなく開催される2015日本放射化学会年会/第59回放射化学討論会(仙台、2015.9)で岩村氏による招待講演が計画されている[2]。
[1] 岩村康弘、Isotope News, #728, pp.2-6 (2014.12)
[2] 岩村康弘:招待講演「凝縮系核反応の研究状況と今後ーナノ構造金属において観測される新しい元素変換
現象を中心にー」 2015日本放射化学会年会/第59回放射化学討論会の核化学分科会(20115.9.25, 11:50~
12:35)   (YS)

 

(3−06) 新刊紹介 「放射化学の事典」 日本放射化学会編 朝倉書店 A5/376ページ/2015年09月28日、ISBN978-4-254-14098-9 C3543、定価9,936円(本体9200円+税)

JNRSメールニュースの前号(2号、2015.7)で、「(2−11)日本放射化学会企画「放射化学の辞典」発刊まで秒読み。2015年会(仙台)開催時を目処に」と題する発信をした。予定どおり、朝倉書店からの2015年月28日の発刊となった。朝倉書店は、9月25日から27日仙台で開催された本会年会の会場で先行販売(会員特価8500円(税込))を行なった。
以下が、事典に掲載されている全項目である。1項目に対して記載分量は、内容により様々で1ページから数ページである。執筆者の多くは本学会員である。出版社からの原稿料は、会員以外も含めて7割強の執筆者が全額を学会に寄付したと聞いている。

I 放射化学の基礎
1. 核種・同位体・同重体、 2. 素粒子、 3. 原子質量単位と原子量、 4. 原子核、 5. 核構造、6. 原子核模型、 7. 原子核と結合エネルギー、 8. 魔法数の変化、 9. 放射壊変、 10. α壊変、11. β壊変、 12. γ壊変、 13. X(レントゲン)線、 14. 放射平衡、 15. 天然放射性核種、 16. 【コラム】NEET、 17. 【コラム】Be-7の半減期、 18. 原子炉、 19. 加速器、 20. 核反応、 21. 核分裂、 22. 【コラム】対消滅,反物質

II 放 射 線 計 測
 1. 阻止と飛程、 2. 制動放射、 3. 光電効果、 4. コンプトン効果、 5. 電子対生成、 6. 放射線量、 7. 線量計、 8. 放射線の生物学的効果、 9. ガイガー・ミュラー計数管、 10. 気体放射線検出器、 11. 半導体検出器、 12. 固体シンチレーション検出器、 13. 液体シンチレーション検出器、 14. 固体飛程検出器、 15. 【コラム】ルミネセンス法、 16. スーパーカミオカンデ

III 人工放射性元素
 1. 核図表、 2. テクネチウム,プロメチウム、 3. 超ウラン元素、 4. アクチノイドの概念、 5. アクチノイドの固体化学、 6. アクチノイドの溶液化学、 7. 超アクチノイド元素、 8. 超重原子核、 9. 超アクチノイド元素の化学、 10. 相対論効果 11. シングルアトム化学、 12. 反跳分離法、 13. 反超核分離装置、 14. 同位体分離、 15. 液相系迅速放射化学分離、 16. 気相系迅速放射化学分
離、 17. RIビーム、 18. イオントラップ、 19. 【コラム】新元素発見にまつわるエピソード、 20. 【コラム】新元素の承認

IV 原子核プローブ・ホットアトム化学
1. 物質化学とメスバウアー分光法、2. メスバウアー分光法の材料科学への応用、3. インビーム・メスバウアー分光法、4. 核共鳴散乱、5. 陽電子消滅角度相関、6. 陽電子消滅寿命、7. ミュオンスピン回転・緩和・共鳴法、8. 核磁気共鳴分光NMR、9. β線核磁気共鳴分光、10. γ線摂動角相関、11. エキゾチックアトム、12. ホットアトム化学、13. 【コラム】火星に水があった

V 核・放射化学に関連する分析法
1. 中性子放射化分析、2. 即発γ線分析、3. 多重γ線分析、4. 光量子放射化分析、5. 荷電粒子放射化分析、6. γ線スペクトロメトリ、7. k0法,コンパレーター法、8. 荷電粒子励起X線分析PIXE、9. 加速器質量分析、10. X線吸収微細構造法(XAFS)、11. 蛍光X線分析XRF、12. アクチバブルトレーサー、13. 中性子散乱・中性子回折、14. フィッショントラック、15. 中性子ラジオグラフィ、16. 遅発中性子分析、17. 放射化
学分析、18. 同位体希釈分析、19. 不足当量法、 20.【コラム】かぐや(SELENE)γ線分光、21. ミュオンを利用した元素分析、22. 加速器中性子源利用分析

VI 環 境 放 射 能
1. 環境中の放射非平衡、2. 大気圏内核実験とフォールアウト、3. 平均滞留時間、4. バックグラウンド放射能、5. 原子力施設と放射性核種、6. 環境放射線モニタリング、7. 生物濃縮、8. 自然被ばく線量、9. 環境移行モデル、10. 放射線および安定同位体の環境移動、11. NORM、12. 環境放射能測定法、13. ラドン,トロン、14. トリチウム(三重水素)、15. 炭素-14、16. クリプトン-85、17. プルトニウム、18. 高自然放射線地域の住民の健康影響、19. 環境生物の放射線防護

VII 原子力と放射化学
1. 軽水炉の構造、2. 軽水炉における核反応と反応度制御、3. 次世代炉、4. 高温ガス炉、5. 加速器駆動核変換システム、6. 核融合路、7. ITER、8. 材料放射化、9. 水化学、10. ウラン,トリウム、11. 核燃料の化学、12. 使用済燃料、13. 湿式再処理、14. 乾式再処理、15. マイナーアクチノイドの分離と核変換、16. 放射性廃棄物、17. 安全評価と核種移行、18. 核種移行—収着,拡散、19. 核種移行—溶解度と熱力学、20. 核不拡散、21. 原子力の事故、22. 大規模放射性核種マップ

VIII 宇宙・地球化学
1. 放射年代測定、2. 14C年代測定、3. 消滅放射性核種、4. 軽い元素の原子核合成、5. 重い元素の原子核合成、6. 二重β崩壊、7. 宇宙線、8. 隕石の宇宙線照射年代、9. 空気シャワー、10. 核破砕反応、11. 同位体比測定、12. 【コラム】オクロ現象、13. 【コラム】X線CT@SPring-8、14. シンクロトロン放射光によるX線回折

IX 放射線・放射性同位元素の生命科学・医薬学への応用
1. マルチトレーサー、2. オートラジオグラフィー、3. 放射線生物作用、4. 放射線の生体への影響、5. 放射線ホルミシス、6. 粒子線治療、7. 放射性核種を用いた診断と治療I、8. 放射性核種を用いた診断と治療II、9. γ線カメラ、10. コンプトンカメラ、11. ホウ素中性子補足量法(BNCT)、12. イオンビーム育種、13. ラジオイムノアッセイ、14. 医薬品開発におけるRI利用、15. 【コラム】99Mo/99mTcの現状と89Sr,90Yの利用、16. 【コラム】植物のRIリアルタイムイメージング

X 放射線・放射性同位体の産業利用
1. 原子力電池、2. 厚さ計、3. 火災報知器、4. イリジウム線源、5. 非破壊検査、6. 放射線高分子グラフト、7. 放射線高分子架橋、8. 放射線分解、9. 放射線殺菌・滅菌、10. 芽止め照射、11. 害虫の不妊化駆除、12. 【コラム】放射能温泉

付 録
1.核化学・放射化学に関係するノーベル賞受賞者とその業績、2.安定核種の同位体存在度と原子質量、3.天然の放射壊変系列、4.おもな天然放射性核種、5.人工放射元素一覧
(YS)