開催概要

     日本放射化学会第64回討論会(2020)は大阪大学豊中キャンパスで開催されます。期間は2019年9月9日(水)〜11日(金)の3日間を予定しています。
     放射化学討論会は、わが国の核・放射化学研究者の研究発表と交流の場であり、第1回会合は斎藤信房(東大)が世話人となり、“死の灰”分析で知られるビキニ事件から間もない1957年に東京で開催されました。その後毎年1回開催され、本年9月に大阪で開催される討論会は第64回目にあたります。この歴史ある放射化学討論会は研究者の自主組織「放射化学研究連絡委員会」によって長らく運営され、1999年10月の日本放射化学会の設立からは日本放射化学会年会・放射化学討論会という二つの名称を冠した大会となっていましたが、日本放射化学会が主催する討論会という位置づけを明確にするため、本会創設20年を機に昨年から標記のような名称とすることになりました。本討論会は、核・放射化学を中心として、今では福島問題を含む環境放射能、物性科学、保健物理、放射線生物学、核医学、加速器科学、放射線教育等の多岐にわたる分野の研究者が集う学際的な研究交流の場として活用していただいております。
     本年度も、放射性核種と放射線利用をキーワードに、核化学、環境放射能、放射化学分析、原子核プローブ、医薬・生物学におけるRI利用、アクチノイド・バックエンド化学、その他にも宇宙・地球化学核鑑識、放射線教育などの幅広い分野の研究発表が予定されております。本討論会は、昨年、創設20年を迎えた日本放射化学会が、次のステップに進むべく新法人となる新しい門出の会に当たり、放射化学を中心とした関連分野のロードマップに関する特別セッション、新生日本放射化学会創設記念総会など、幾つもの新しい試みを行う予定です。

    実行委員会委員長 篠原 厚
       (大阪大学大学院理学研究科・教授)